WALTZ GUITAR SHOP

2021/11/21 23:13

Teisco WG-2L Rebuild by Waltz Guitars


そのままではピックアップだけ部品取りにされてしまいそうな古いTeiscoのギター、ちゃんと使えるギターに復活させてみたいなと、60年代のTeisco WG-2Lを当工房にてリビルドしました。

どのようにしたらこのギターを更に魅力的なギターにできるかなぁと考えまして、まずはネック周りと色だろう、と思いつくまま出来る限り良い素材パーツを使い作り直しました。これらの作業はとても楽しいものでした。どのように変更したのか、そしてどこがオリジナルのままでどんなギターなのかなど書いていきたいなと思います。

TeiscoのWG-2Lは1963年に登場したモデルです。1965年に国内のエレキギターブームが最高潮に達したようです。そんなエレキギターブームの渦中に生産されたのかなぁと想像されるのがこのギターです。

このギターの一番の魅力は個人的にはピックアップです。このギターを入手したとき、ピックアップだけでも使えればいいなと言うのが正直なところでした。このギターに使われているゴールドフォイルピックアップはライ・クーダーの使用により有名になり、多くのファンがいます。現行品ではLollar Pickups、MOJO TONEやMOJO Pickupsから復刻されています。

そのオリジナルが2つ搭載されているのですから、それだけでも魅力的なギターです。

フレットはどうせなら一番良いフレットにしようとJescarのEVO GOLDに打ち替えています。GOLD FOILピックアップともゴールドでマッチングしますし、更に、なんならとコントロールプレートの止めビスもゴールドカラーの真鍮にしました。EVO GOLDはステンレスとニッケルシルバーの中間くらいの硬さで耐久性の高いフレットになります。フレット交換の際には指板面もストレートを出し直し整えています。ネックはもともと丈夫なネックで、厚みのあるソフトV形状、アコギのような握りです。トラスロッドもしっかりと機能しています。木材が十分エイジングされていて安定しているので、ネック反りの心配はほぼいらなそうです。

バインディングは交換しました。バインディングを黒にしたのは、ペグを黒にしたからです。オリジナルのペグは劣化が激しく使用が厳しそうでしたので、新しいペグへ交換しました。ここは信頼のGOTOH製で、個人的にブラックカラーボディーがカッコいいなぁとブラックにし、ノブは大きめのパールカラーのノブにしました。これにより、バインディングとカラーマッチし、ノブとポジションマークがパールカラーでマッチしています。

ネックポケットの隙間は写真の通りけっこうあります。でもそんなのは関係ありません。よくエイジングされたボディ材とネック材はよく鳴ります。電装系のオリジナルパーツはピックアップとコントロールプレートとノブです。それ以外のポット、スイッチ、ジャック、コンデンサ、配線材は交換しています。ポットとスイッチとジャックは現行の新品へ、このスイッチはムスタングで使われるスライドスイッチになってます。配線材は60年代の配線材を使用しました。コンデンサはロシア製のいつ頃のものかわからないですが古めのもので組み上げています。

ブリッジとトレモロ・ユニットはオリジナルのままです。アームバーは欠品してましたので使用できません。ブリッジのオクターブチューニングを懸念してましたが使用に耐えられるレベルでした。駄目だったら作製しようと考えていました。音を出してみるとこの特殊なブリッジサドル(といっていいのでしょうか)、プレスで整形されたようなサドルによる効果が貴重かなぁという感じもします。

ネックプレートとネジはオリジナルのモノがついています。基本的には掃除をして汚れを落とすのですが、このプレートとネジに関しては経年による汚れもそのまま残しています。掃除すると文字が消えてしまいそうでしたのでそのままにしました。

ボディー塗装はオーバーラッカー、つまりこの水色の塗装が剥がれるとオリジナルのサンバースト塗装が出てきます。ガンガン使っていただき塗装が剥がれたり削れたりすりと、いい具合にオリジナル塗装が見えてくるといいなぁと期待しています。ラッカーで薄めに塗装しています。
テスコでよく使われているシマシマ模様のコントロールプレートがかわいいなぁと前から思っていました。そのシマシマが、全体をみていて気づいたのですがポジションマークとマッチングしているなぁと、そしてヘッドロゴの”T”の文字とポジションマークも12フレットを縦線に見立てると、なんとマッチングしているように見えるじゃないですか・・・。

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